白川欽哉
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プロフィール
氏名
白川 欽哉
よみがな
しらかわ きんや
職名
学長、教授
担当科目
西洋経済史Ⅰ・Ⅱ、一般経済史、西洋史、専門演習
担当科目紹介
「一般経済史」
先史時代から近代の過渡期に至るまでの世界の歴史的発展段階を、主に資本、労働、土地の生産要素の側面から振り返り、市場経済や競争を基本原理とする近代の資本主義経済システムが、いかなるプロセスを経て形成されたのかを学びます。歴史事象にかかわる事項を暗記するスタイルではなく、個々の時代区分に固有な基本構造とその意味を解説する形で講義を進めます。
「西洋経済史Ⅰ」
ヨーロッパの中世から近代への移行に際して、商業や手工業・工業が果たした役割を把握し、近代の資本主義や国際競争環境がどのような試行錯誤を経て形成されてきたのかを学びます。ゲルマンの移動とヨーロッパの形成、南北東西の商業圏の結合、商工業の成長、大航海時代とスペイン・ポルトガルの台頭、オランダからイギリスへの覇権交代といった、皆さんが世界史で学んできた社会の変化の底流には経済の論理が潜んでいます。それらを把握することで、歴史の変化の重要な要因を知ることになるはずです。
「西洋経済史Ⅱ」
イギリス産業革命における技術革新の内容や、それがフランス、ドイツ、アメリカ合衆国に与えた影響について詳しくみていきます。18世紀~19世紀の技術革新と工業化、重化学工業の登場、巨大企業、帝国主義などをキーワードに19世紀の世界経済の構造を俯瞰してみたいと思います。
「西洋史」
近代社会の幕開けとなったヨーロッパの市民革命、産業革命、アメリカの独立を皮切りとする18世紀〜19世紀の世界経済と国際秩序の変化、世紀末から20世紀にかけての資本主義列強の登場と帝国主義的諸現象の生成、二つの世界大戦とロシア革命、ファシズムの登場、冷戦の始まりまでの歴史を対象とします。上記の変遷の過程について学ぶためには、変化の底流に流れている思想・政治・経済・文化への理解が必要です。講義では、国民国家、民族自決とナショナリズム、植民地主義、戦争と平和、自由主義と全体主義、資本主義と社会主義、大衆消費社会などをキーワードに、欧米の社会構造の変遷を明らかにします。その考察は、近代社会の生成、成長、成熟、内部矛盾の発露の時期について学び、ポスト近代のさまざまな可能性について展望する一助となるでしょう。
専門分野
近現代のドイツ経済史、産業史、企業史(とくにザクセン、ザクセン=アンハルト、テューリンゲン、ベルリンを含むブランデンブルクの産業と企業)
現在の研究テーマ
- ザクセン、テューリンゲンの光学機器工業の歴史
- ザクセン=アンハルトの化学企業の歴史
- ブランデンブルクの鉄鋼業の歴史
- 20世紀ドイツにおける巨大企業と中小企業の歴史(国際競争、産業の盛衰、地域経済の成長と衰退など)
- 計画と市場に関する比較システム論的研究
- 統一ドイツと欧州統合
主要研究業績
- 「東ドイツ経済の崩壊と東西統一後の市場経済化」(門脇延行・酒井正三郎・林昭編著『体制転換と企業・経営』ミネルヴァ書房、2001年所収)
- 「東ドイツ原子力政策史」(若尾祐司・本田宏編著『反核から脱原発へ ─ドイツとヨーロッパ諸国の選択』昭和堂、2012年所収)
- 『東ドイツ工業管理史論』北海道大学出版会、2017年
- 「ザクセンとテューリンゲンにおける写真・映像機器工業の展開(1)─産業立地、国際競争、経営統合の観点から─」、『釧路公立大学紀要人文・自然科学研究』第30号、2018年
- 「東部ドイツ ─統一後25年の軌跡」(藤澤利治・工藤章編著『ドイツ経済 EU経済の基軸』ミネルヴァ書房、2019年所収)
- 「プロヴィンツ・ザクセンにおけるアグファ・フィルム工場の成立─19世紀後半から20世紀初頭を中心に─」、『釧路公立大学地域経済研究』第32号、2023年
学位
Diplomwirtschaftler(Dipl.oec)、経済学士、経済学修士、博士(経済学)
所属学会
政治経済学・経済史学会、社会経済史学会、経営史学会、比較経営学会、東北経済学会
主な社会貢献活動
公益財団法人釧路根室圏産業技術振興センター評議員(2024年度から)
釧路公立大学生協理事(2018~23年度まで理事長、2024年度から理事)