○釧路公立大学における研究活動上の不正行為の防止等に関する規程
令和5年4月1日
大学規程第24号
目次
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 不正行為防止のための体制(第4条―第7条)
第3章 特定不正行為への対応
第1節 特定不正行為(第8条)
第2節 告発の受付等(第9条―第12条)
第3節 関係者の取扱い(第13条―第16条)
第4節 事案の調査(第17条―第27条)
第5節 特定不正行為等の認定(第28条―第33条)
第6節 措置及び処分(第34条―第39条)
第4章 雑則(第40条・第41条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この規程は、釧路公立大学(以下「本学」という。)における研究活動上の不正行為の防止及び不正行為が生じた場合における適正な対応に関し必要な事項を定めるものとする。
(1) 研究活動 先人達が行った研究の諸業績を踏まえた上で、観察や実験等によって知り得た事実やデータを素材としつつ、自分自身の省察・発想・アイディア等に基づく新たな知見を創造し、知知の体系を構築していく行為
(2) 研究成果の発表 研究活動によって得られた成果を、客観的で検証可能なデータ・資料を提示しつつ、科学コミュニティに向かって公開し、その内容について吟味・批判を受けること。
(3) 研究活動上の不正行為 研究者倫理に背馳し、研究活動及び研究成果の発表において、その本質又は本来の趣旨を歪め、科学コミュニティの正常な科学的コミュニケーションを妨げるものをいい、具体的には次の行為をいう。
ア ねつ造 存在しないデータ、研究結果等を作成すること。
イ 改ざん 研究資料、研究機器又は研究過程を変更する操作を行い、データ、研究活動によって得られた結果等を真正でないものに加工すること。
ウ 盗用 他の研究者のアイディア、分析・解析方法、データ、研究結果、論文又は用語を当該研究者の了解又は適切な表示なく流用すること。
エ 二重投稿 他の学術誌等に既発表又は投稿中の論文と本質的に同じ論文を投稿すること。
オ 不適切なオーサーシップ 論文著作者を適正に公表しないこと。
(4) 研究者等 本学において研究活動に携わる者
(5) 研究倫理教育 研究者等に求められる倫理規範を修得等させるための教育
(6) 部局 経済学部、附属図書館、地域経済研究センター及び事務局
(研究者等の責務)
第3条 研究者等は、研究活動上の不正行為を行ってはならず、及び他者による不正行為の防止に努めなければならない。
2 研究者等は、本学が実施する研究倫理教育を受講しなければならない。
3 研究者等は、研究活動の正当性の証明手段を確保するとともに、第三者による検証可能性を担保するため、研究資料等を、原則として当該研究に係る論文発表後10年間、適切に保存・管理し、開示の必要性及び相当性が認められる場合には、これを開示しなければならない。
第2章 不正行為防止のための体制
(学長の責務)
第4条 学長は、本学における研究活動上の不正行為の防止等について最終的な責任を負う者として、公正な研究活動を推進するための適切な措置を講じるものとする。
(部局の長の責務)
第5条 部局の長は、当該部局における研究活動上の不正行為の防止等に関する責任者として、公正な研究活動を推進するための適切な措置を講じるものとする。
(研究倫理教育の実施体制等)
第6条 本学における研究倫理教育の実施を推進する責任者として、研究倫理教育責任者を置き、経済学部長をもって充てる。
2 研究倫理教育責任者は、研究者等に対して、定期的に研究倫理教育を実施するものとする。
3 研究倫理教育責任者は、学生が、教育研究上の目的及び専攻分野の特性に応じて、研究者倫理に関する基礎的素養を修得できるよう、学生に対する研究倫理教育の実施を推進するものとする。
(研究倫理委員会)
第7条 研究者等による研究活動上の不正行為を防止するため、本学に研究倫理委員会(以下「倫理委員会」という。)を置く。
2 倫理委員会は、学長及び部局の長によって組織し、学長を委員長とする。
3 倫理委員会は、次の事項について審議する。
(1) 研究倫理教育の企画及び実施に関する事項
(2) 研究活動上の不正行為の防止等に関する事項
(3) その他研究者倫理に関する事項
4 倫理委員会は、必要があるときは、委員以外の者に出席を求め、意見を聴くことができる。
第3章 特定不正行為への対応
第1節 特定不正行為
第8条 特定不正行為とは、故意又は研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったことによる、投稿論文等の発表された研究成果の中に示されたデータや調査結果等のねつ造、改ざん及び盗用をいう。
第2節 告発の受付等
(告発・相談の受付窓口)
第9条 特定不正行為に関する告発又は相談への迅速かつ適切な対応を行うため、総務課に窓口(以下「受付窓口」という。)を置く。
2 受付窓口の責任者は、総務課長とする。
(告発の受付体制)
第10条 何人も、特定不正行為の疑いがあると思料するときは、書面、ファクシミリ、電子メール、電話又は面談等により、受付窓口に対して告発を行うことができる。
2 告発は、原則として、顕名により、特定不正行為を行ったとする研究者又は研究グループ等の氏名又は名称、特定不正行為の態様その他事案の内容が明示され、かつ、不正とする合理的理由が示されていなければならない。
3 受付窓口の責任者は、告発を受け付けたときは、速やかに、学長に報告するものとする。学長は、当該告発に関係する部局の長等に、その内容を通知するものとする。
4 匿名による告発については、学長が、倫理委員会の議を経て、必要と認めた場合に限り、受け付けることができる。
5 受付窓口の責任者は、告発が受け付けられたかどうかについて告発者が確認できない方法で告発があった場合には、告発が匿名による場合を除き、受け付けた旨を告発者に通知するものとする。
6 新聞等の報道機関、研究者コミュニティ、インターネット等により、特定不正行為の疑いが指摘された場合は、学長が、倫理委員会の議を経て、特定不正行為を行ったとする研究者又は研究グループ等の氏名又は名称、特定不正行為の態様その他事案の内容が明示され、かつ、不正とする合理的理由が示されていると認めた場合に限り、匿名による告発に準じて取り扱うことができる。
(告発の相談)
第11条 特定不正行為の疑いがあると思料する者で、告発の是非や手続について疑問があるものは、受付窓口に対して相談をすることができる。
2 告発の意思を明示しない相談があったときは、受付窓口は、その内容を確認して相当の理由があると認めたときは、相談者に対して告発の意思の有無を確認するものとする。
3 相談の内容が、特定不正行為が行われようとしている、又は特定不正行為を求められている等であるときは、受付窓口の責任者は、学長に報告するものとする。
4 前項の報告があったときは、学長は、その内容を確認し、倫理委員会の議を経て、相当の理由があると認めたときは、その報告内容に関係する者に対して警告等を行うものとする。
(受付窓口の職員の義務)
第12条 告発の受付に当たっては、受付窓口の職員は、告発者の秘密の遵守その他告発者の保護を徹底しなければならない。
2 受付窓口の職員は、告発を受け付けるに際し、面談による場合は個室において実施し、書面、ファクシミリ、電子メール、電話等による場合はその内容を他の者が同時及び事後に見聞できないような措置を講じるなど、適切な方法で実施しなければならない。
3 前2項の規定は、告発の相談について準用する。
第3節 関係者の取扱い
(秘密保持義務)
第13条 この規程に定める業務に携わる全ての者は、業務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。職員等でなくなった後も、同様とする。
2 学長は、告発者、被告発者、告発内容、調査内容及び調査経過について、調査結果の公表に至るまで、告発者及び被告発者の意に反して外部に漏えいしないよう、これらの秘密の保持を徹底しなければならない。
3 学長は、当該告発に係る事案が外部に漏えいした場合は、告発者及び被告発者の了解を得て、調査中にかかわらず、調査事案について公に説明することができる。ただし、告発者又は被告発者の責めに帰すべき事由により漏えいしたときは、当該者の了解は不要とする。
4 学長その他の関係者は、告発者、被告発者、調査協力者又は関係者に連絡又は通知をするときは、告発者、被告発者、調査協力者及び関係者の名誉、プライバシー等を侵害することのないよう、配慮しなければならない。
(悪意に基づく告発)
第14条 何人も、悪意に基づく告発(被告発者を陥れ、又は被告発者の研究を妨害する等、専ら被告発者に不利益を与えること又は被告発者が所属する組織等に不利益を与えることを目的とする告発をいう。以下同じ。)を行ってはならない。
2 悪意に基づく告発であったことが判明した場合は、当該告発者の氏名の公表、懲戒処分、刑事告発その他必要な措置を講じることがある。
3 前項の措置が講じられたときは、学長は、当該事案に係る資金配分機関及び関係省庁に、その措置の内容を通知する。
(告発者の保護)
第15条 部局の長は、告発をしたことを理由とする当該告発者の職場環境の悪化や差別待遇が起きないようにするために、適切な措置を講じなければならない。
2 本学に所属する全ての者は、告発したことを理由として、当該告発者に対して不利益な取扱いをしてはならない。
3 告発者に対して不利益な取扱いを行った者がいた場合は、関係規定に従って、その者に対して処分を課すことができる。
4 悪意に基づく告発であることが判明しない限り、単に告発したことを理由として、当該告発者に対して、懲戒処分その他不利益な措置等を行ってはならない。
(被告発者の保護)
第16条 本学に所属する全ての者は、相当な理由なく、単に告発がなされたことのみをもって、当該被告発者に対して不利益な取扱いをしてはならない。
2 相当な理由なく、被告発者に対して不利益な取扱いを行った者がいた場合は、関係規定に従って、その者に対して処分を課すことができる。
3 相当な理由なく、単に告発がなされたことのみをもって、当該被告発者に対して、研究活動の全面的な禁止、懲戒処分その他不利益な措置等を行ってはならない。
第4節 事案の調査
(予備調査)
第17条 学長は、第10条に基づく告発があった場合又はその他の理由により予備調査の必要を認めた場合は、倫理委員会の議を経て、速やかに、予備調査委員会を設置するものとする。
2 予備調査委員会は、学長が倫理委員会の議を経て指名する3人の委員によって構成する。
3 予備調査委員会は、必要に応じて、予備調査の対象者に対して、関係資料その他予備調査を実施する上で必要な書類等の提出を求め、又は関係者のヒアリングを行うことができる。
4 予備調査委員会は、本調査の証拠となり得る関係書類、研究資料等を保全する措置をとることができる。
(予備調査の方法)
第18条 予備調査委員会は、告発された行為が行われた可能性、告発の際に示された科学的理由の論理性、告発内容の本調査における調査可能性その他必要と認める事項について、予備調査を行う。
2 告発がなされる前に取り下げられた論文等に対してなされた告発についての予備調査を行う場合は、取下げに至った経緯及び事情を含め、特定不正行為の問題として調査すべきものか否か調査し、判断するものとする。
(本調査の決定等)
第19条 予備調査委員会は、告発を受け付けた日又は予備調査の指示を受けた日から起算して30日以内に、予備調査結果を倫理委員会に報告する。
2 倫理委員会は、予備調査結果を踏まえ、直ちに、本調査を行うか否かを決定する。
3 倫理委員会は、本調査を実施することを決定したときは、告発者及び被告発者に対して本調査を行う旨を通知し、本調査への協力を求める。
4 倫理委員会は、本調査を実施しないことを決定したときは、その理由を付して告発者に通知する。この場合には、当該事案に係る資金配分機関又は告発者の求めがあった場合に開示することができるよう、予備調査に係る資料等を保存するものとする。
5 倫理委員会は、本調査を実施することを決定したときは、当該事案に係る資金配分機関及び関係省庁に、本調査を行う旨を報告するものとする。
(調査委員会の設置)
第20条 倫理委員会は、本調査を実施することを決定したときは、直ちに、調査委員会を設置するものとする。
2 調査委員会は、次の各号に掲げる3人以上の委員をもって組織し、全ての委員は告発者及び被告発者と直接の利害関係を有しない者とする。
(1) 倫理委員会の委員の中から学長が指名する者
(2) 学長が倫理委員会の議を経て指名する者
3 調査委員会の委員の半数以上は、本学に属さない外部委員でなければならない。
(本調査の通知)
第21条 倫理委員会は、調査委員会を設置したときは、調査委員会委員の氏名及び所属を告発者及び被告発者に通知する。
2 前項の通知を受けた告発者又は被告発者は、当該通知を受けた日から起算して7日以内に、書面により、倫理委員会に対して調査委員会委員に関する異議を申し立てることができる。
3 倫理委員会は、前項の異議申立てがあった場合は、当該異議申立ての内容を審査し、その内容が妥当であると判断したときは、当該異議申立てに係る調査委員会委員を交代させるとともに、その旨を告発者及び被告発者に通知する。
(本調査の実施)
第22条 調査委員会は、本調査の実施の決定があった日から起算して30日以内に、本調査を開始するものとする。
2 調査委員会は、告発において指摘された当該研究に係る論文及び資料等の精査並びに関係者のヒアリング等の方法により、本調査を行うものとする。
3 調査委員会は、被告発者による弁明の機会を設けなければならない。
4 告発者、被告発者その他当該告発に係る事案に関係する者は、調査が円滑に実施できるよう積極的に協力し、真実を忠実に述べるなど、調査委員会の本調査に誠実に協力しなければならない。
(本調査の対象)
第23条 本調査の対象は、告発された事案に係る研究活動のほか、調査委員会の判断により、本調査に関連した被告発者の他の研究を含めることができる。
(証拠の保全)
第24条 調査委員会は、本調査を実施するに当たって、告発された事案に係る研究活動に関して、証拠となる資料等を保全する措置をとるものとする。
2 前項の資料等が本学以外の機関にあるときは、調査委員会は、当該資料等を保全する措置をとるよう、当該機関に依頼するものとする。
3 調査委員会は、前2項の措置に必要な場合を除き、被告発者の研究活動を制限してはならない。
(本調査の中間報告)
第25条 調査委員会は、本調査の終了前であっても、当該事案に係る資金配分機関の求めに応じ、本調査の中間報告を当該資金配分機関に提出するものとする。
(調査における研究又は技術上の情報の保護)
第26条 調査委員会は、本調査に当たっては、調査対象における公表前のデータ、論文等の研究又は技術上秘密とすべき情報が、調査の遂行上必要な範囲外に漏えいすることのないよう、十分配慮するものとする。
(特定不正行為の疑惑への説明責任)
第27条 調査委員会の本調査において、被告発者が告発された事案に係る研究活動に関する疑惑を否定する場合には、自己の責任において、当該研究活動が科学的に適正な方法及び手続にのっとって行われたこと、並びに論文等がそれに基づいて適切な表現で書かれたものであることにつき、科学的根拠を示して説明しなければならない。
第5節 特定不正行為等の認定
(認定の手続)
第28条 調査委員会は、本調査を開始した日から起算して150日以内に、調査した内容をまとめ、特定不正行為が行われたか否かを認定しなければならない。特定不正行為と認定する場合は、その内容及び悪質性、特定不正行為に関与した者及びその関与の度合い、並びに特定不正行為と認定された研究に係る論文等の各著者の当該論文等及び当該研究における役割その他必要な事項を認定するものとする。
2 調査委員会は、150日以内に認定を行うことができない合理的な理由がある場合は、その理由及び認定の予定日を付して学長に申し出て、その承認を得るものとする。
3 調査委員会は、特定不正行為が行われなかったと認定される場合であって、調査を通じて告発が悪意に基づくものであると判断したときは、併せてその旨の認定を行うものとする。
4 前項の認定を行うに当たっては、告発者に弁明の機会を与えなければならない。
(認定の方法)
第29条 調査委員会は、被告発者から説明を受けるとともに、調査によって得られた、物的証拠、証言、被告発者の自認等の諸証拠を総合的に判断して、特定不正行為か否かの認定を行うものとする。
2 調査委員会は、被告発者の自認を唯一の証拠として特定不正行為を認定することはできない。
3 調査委員会は、被告発者の説明及びその他の証拠によって、特定不正行為であるとの疑いを覆すことができないときは、特定不正行為と認定することができる。
(調査結果の通知及び報告)
第30条 学長は、速やかに、調査結果(認定を含む。以下同じ。)を告発者、被告発者及び被告発者以外で特定不正行為に関与したと認定された者に通知するものとする。被告発者が本学以外の機関に所属している場合は、その所属機関にも通知するものとする。
2 学長は、前項の通知に加えて、当該事案に係る資金配分機関及び関係省庁に調査結果を報告するものとする。
3 学長は、悪意に基づく告発との認定があった場合において、告発者が本学以外の機関に所属しているときは、その旨を当該所属機関に通知するものとする。
(不服申立て)
第31条 特定不正行為が行われたものと認定された被告発者は、通知を受けた日から起算して14日以内に、調査委員会に対して不服申立てをすることができる。ただし、その期間内であっても、同一理由による不服申立てを繰り返すことはできない。
2 告発が悪意に基づくものと認定された告発者(被告発者の不服申立ての審議の段階で悪意に基づく告発と認定された者を含む。)は、その認定について、前項の例により、不服申立てをすることができる。
3 不服申立ての審査は、調査委員会が行う。学長は、新たに専門性を要する判断が必要となる場合は、委員の交代若しくは追加又は調査委員会に代えて他の者に審査をさせるものとする。ただし、調査委員会の構成の変更等を行う相当の理由がないと認めるときは、この限りでない。
5 調査委員会は、当該事案の再調査を行うまでもなく、不服申立てを却下すべきものと決定した場合には、直ちに、学長に報告する。報告を受けた学長は、不服申立人に対し、その決定を通知するものとする。その際、その不服申立てが当該事案の引き延ばしや認定に伴う各措置の先送りを主な目的とするものと調査委員会が判断した場合は、以後の不服申立てを受け付けないことを併せて通知するものとする。
6 調査委員会が不服申立てに対して再調査を行う旨を決定した場合には、直ちに、学長に報告する。報告を受けた学長は、不服申立人に対し、その決定を通知するものとする。
7 学長は、被告発者から不服申立てがあったときは告発者に対して通知し、告発者から不服申立てがあったときは被告発者に対して通知するものとする。また、当該事案に係る資金配分機関及び関係省庁に通知する。不服申立ての却下又は再調査開始の決定をしたときも同様とする。
(再調査)
第32条 前条に基づく不服申立てについて、再調査を実施する決定をした場合には、調査委員会は、不服申立人に対し、先の調査結果を覆すに足るものと不服申立人が思料する資料の提出を求め、及び当該事案の速やかな解決に向けて再調査に協力することを求めるものとする。
2 前項に定める不服申立人からの協力が得られない場合には、調査委員会は、再調査を行うことなく手続を打ち切ることができる。その場合には、調査委員会は、直ちに学長に報告する。報告を受けた学長は、不服申立人に対し、その決定を通知するものとする。
3 調査委員会は、再調査を開始した場合には、その開始の日から起算して50日以内に、先の調査結果を覆すか否かを決定し、その結果を直ちに学長に報告するものとする。ただし、50日以内に調査結果を覆すか否かの決定ができない合理的な理由がある場合は、その理由及び決定予定日を付して学長に申し出て、その承認を得るものとする。
(調査結果の公表)
第33条 学長は、特定不正行為が行われたとの認定がなされた場合には、速やかに、調査結果を公表するものとする。
2 前項の公表における公表内容は、特定不正行為に関与した者の氏名・所属、特定不正行為の内容、本学が公表時までに行った措置の内容、調査委員会委員の氏名・所属、調査の方法・手順等を含むものとする。ただし、学長が、倫理委員会の議を経て、合理的な理由があると判断した場合は、当該特定不正行為に関与した者の氏名・所属等を非公表とすることができる。
3 学長は、特定不正行為が行われなかったとの認定がなされた場合には、調査結果を公表しないことができる。ただし、被告発者の名誉を回復する必要があると認められる場合、調査事案が外部に漏えいしていた場合又は論文等に故意若しくは研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったことによるものでない誤りがあった場合は、調査結果を公表するものとする。
4 前項ただし書の公表における公表内容は、特定不正行為がなかったこと、論文等に故意又は研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったことによるものでない誤りがあったこと、被告発者の氏名・所属、調査委員会委員の氏名・所属、調査の方法・手順等を含むものとする。ただし、学長が、倫理委員会の議を経て、合理的な理由があると判断した場合は、被告発者の氏名・所属等を非公表とすることができる。
5 学長は、悪意に基づく告発が行われたとの認定がなされた場合には、告発者の氏名・所属、悪意に基づく告発と認定した理由、調査委員会委員の氏名・所属、調査の方法・手順等を公表するものとする。ただし、学長が、倫理委員会の議を経て、合理的な理由があると判断した場合は、告発者の氏名・所属等を非公表とすることができる。
第6節 措置及び処分
(本調査中における一時的措置)
第34条 学長は、本調査を行うことを決定したときから調査委員会による調査結果の報告を受けるまでの間、被告発者に対して、該当する研究費の一時的な支出停止等の措置を講じることができる。
2 学長は、当該事案に係る資金配分機関から、被告発者の該当する研究費の支出停止等を命じられた場合には、それに応じた措置を講じるものとする。
(研究費の使用中止)
第35条 学長は、特定不正行為に関与したと認定された者及び特定不正行為が認定された論文等の内容に重大な責任を負う者として認定された者(以下「被認定者」という。)に対して、直ちに、該当する研究費の使用中止を命ずるものとする。
(論文等の取下げ等の勧告)
第36条 学長は、被認定者に対して、特定不正行為と認定された論文等の取下げ、訂正又はその他の措置を勧告するものとする。
2 被認定者は、前項の勧告を受けた日から起算して14日以内に、勧告に応ずるか否かの意思表示を学長に行わなければならない。
3 学長は、被認定者が第1項の勧告に応じない場合は、その事実を公表するものとする。
(措置の解除等)
第37条 学長は、特定不正行為が行われなかったものと認定された場合は、該当する研究費の支出停止等の措置を解除するものとする。また、証拠保全の措置については、不服申立てがないまま申立期間が経過した後又は不服申立ての審査結果が確定した後、速やかに解除する。
2 学長は、特定不正行為が行われなかったと認定された者の名誉を回復する措置及び不利益が生じないための措置を講じるものとする。
(処分)
第38条 本調査の結果、特定不正行為が行われたものと認定された場合は、当該行為に関与した者に対して、関係規定に従って処分を課すものとする。
2 学長は、前項の処分が課されたときは、当該事案に係る資金配分機関及び関係省庁に対して、その処分の内容等を通知する。
(是正措置等)
第39条 学長は、本調査の結果、特定不正行為が行われたものと認定された場合には、速やかに、是正措置、再発防止措置その他必要な環境整備措置(以下「是正措置等」という。)をとるものとする。
2 学長は、是正措置等の内容を当該事案に係る資金配分機関及び関係省庁に報告するものとする。
第4章 雑則
(事務)
第40条 この規程に定める事項に関する事務は、総務課において行う。
(その他)
第41条 この規程に定めるもののほか、研究活動上の不正行為の防止等に関し必要な事項は、別に定める。
附則
この規程は、令和5年4月1日から施行する。