釧路公立大学

ENGLISH

画面の見やすさ

文字の大きさ


大学紹介


現在位置の階層

  1. ホーム
  2. 大学紹介
  3. 学長より
  4. 令和4年度入学式 学長告辞

令和4年度入学式 学長告辞

令和4年度入学式 学長告辞

画像1
画像2

令和4年4月7日、本学体育館を会場に「令和4年度釧路公立大学入学式」が執り行われました。
以下、本学学長の告辞文を掲載いたします。
 ----------------------------------------------------------------------------------
 

 新入生の皆さん、入学おめでとうございます。新型コロナウィルスの感染の影響で、今年も、このような変則の入学式ですが、ようやく、ご家族や関係者の皆さまにも、ご出席頂くことが、できるようになりました。ご家族や関係者の皆さまには、教職員一同、こころより、お祝い申し上げます。
                                 
伝統
 釧路公立大学は、昭和の終わりの昭和63年に創設されました。当時は、全国的にも珍しい、1市9町村による事務組合立という形での創設で、地域の期待を一身に背負っての開学でした。平成の30年間を着実に歩み続け、この令和4年に、開学35年を迎えました。 現在、阿寒町、音別町は釧路市と合併し、釧路町、厚岸町、浜中町、弟子屈町、標茶町、白糠町に鶴居村の1市7町村ですが、管内の面積は約6,000平方キロ、全都道府県中24番目の面積の、茨城県に次ぐ面積です。
  管内には、阿寒摩周国立公園、釧路湿原国立公園、厚岸霧多布昆布森国定公園と3つの国立、国定公園があります。本学は、都市化が進んだ郊外の、湿原との境界に建てられ、釧路湿原国立公園に近接しています。国立公園に最も近い大学ではないかと思います。湿原からはエゾシカが来遊し、校内の草を食んでいるのは、世界でもここだけではないでしょうか。
 国連の掲げるSDGSは、環境保護を柱としながら、持続可能な経済成長と、自然との共生も謳っています。都市での生活は、肥大化した人工物に囲まれた生活です。自然との共生を言うなら、都市的生活への反省が、なければならないでしょう。そこで失われた、自然に対する感覚、それを感じ取れる感性を、取り戻す努力をしなければなりません。本学での4年間は、皆さんにとって、そのための貴重な時間となることでしょう。
 
 さてそこで、新入生の皆さんが、学生生活を始めるに際して、心得て欲しいことをお話しします。
 
学ぶ姿勢を学ぶ
 1つは、学ぶ姿勢を学んで欲しいということです。大学は、教育と研究が一体となっているのが、あるべき姿です。皆さんも、3年次には専門演習に所属して、自ら研究を行い、それを成果にまとめることになります。社会への関心がなければ研究の扉は開きません。受動的に講義を聴くだけでは、学ぶことの醍醐味を味わうことはできないでしょう。そこへの一歩は、大変な一歩かもしれませんが、皆さんにはその先達がいます。
 高校までの先生は、ある意味で完成した教育者です。しかし、大学の先生は、教育者である前に、研究者です。私たちは今なお、苦闘しながら研究を続ける途上の人間です。完成した研究者でもなければ、完成した教育者でもないのです。しかし、学ぶ姿勢を、学ぶことができるのは、こうした途上の人間からなのです。
 皆さんは、はじめて、研究という、創造的な活動が行われる場に到達したのです。教員の研究に、身近に接して、真似るように、その姿勢を学び取って頂きたいと思います。幅広い専門分野の教員が、揃っています。是非、真剣に研究を続けている教員の門を、叩いて見てください。
 
自己を深める
 2つは、様々な繋がりを持ち、そこから刺激を受けてもらいたいと言うことです。人との繋がりの総体が、自分であると考えましょう。皆さんの中には、自分には他人の知らない「本当の自分」なるものがあって、それが自己を形作っていると、思っている方がいるかもしれません。確かに、個人の特質やその人独自の傾向は、誰もがそれぞれ持っています。しかし、それらは他者との関係によって変えられる、と考えて下さい。そのように考えないと、人は、変わることも、成長することもできなくなります。
 先ほどの話とも重なりますが、誰もが、途上の人間なのです。自分はまだ、未熟である、途上にあるという意識が、日本で言うところの、道という考え方、生き方、なのだと思います。これは、非常に巧妙な、意識のスタンスと言えます。何時までも頑張られる、自分を深めることができる、またそうしなければならないという、規範でもあるでしょう。自己を深めるべく、関係を広げてください。常に刺激を受け、未熟な自分、足りない自分を意識し続けることが、逆に、安定した心を得ることに繋がるのではないかと思います。
 
地域で学ぶ、地域を学ぶ
 3つは、毎年申し上げていますが、地域の中で、学んで欲しいということです。地方の時代と、言われ続けてきましたが、地方は衰退するばかりでした。皆さんの中にも、多くの地方出身者が、いると思います。自分の出身地をどう支え、発展させていくか、それを探究すべく、本学に進学された方も、おられると思います。カリキュラムの中に、地域に出て、現状を探究する科目ができるのは、少し後になりますが、熱心に地域で学ぶ実践を、行っている演習もあります。学ぶ姿勢で大事なことは、現場に出て行くこと、現場の人に刺激を受けることでしょう。
 学ぶ場は、講義に限られません。受動的な姿勢で講義に出ていても、得られるものは多くはありませんし、身につくものでもありません。主体的に取り組んだものが、そして、生の情報に接して、それをまとまった情報に、すなわち、知識に変えていく営為を行うことが、真に、皆さんを成長させるでしょう。師は、どこにでもいます。それは、皆さんの姿勢が生み出すものです。
 
  様々な思いを抱いて、この場に集まっているものと思います。希望に満ちた瞬間でもあり、不安一杯の瞬間でもあるでしょう。この釧路という地が、釧路公立大学という場所が、皆さんの運命的な出会いの場となることを、期待します。「思いがけなく出会う」や、「感動的な出会い」という意味もある「邂逅」という言葉がありますが、皆さんの、大学4年間が、この「邂逅」という言葉に、凝縮されるような、驚きに満ちたものになることを祈念して、告辞とします。
 
             令和4年4月7日
 
       釧路公立大学 学長 小路行彦

最終更新日:2022年04月07日